基本的に拒否できない
異動の辞令は突然
「新しい施設を立ち上げるから」「なれ合いを防ぐために」など人事異動になる理由はいろいろありますが、辞令がおりるのは突然です。心の準備もないまま告げられるため不安に思う人も多いのではないでしょうか。拒否したくなる気持ちも分かりますが、人事異動は基本的に拒否することは、できません。
日本では職員は簡単に解雇することはできません。その代わり雇用主側には人事権の裁量が幅広く与えられています。「拒否=業務命令違反」となるため簡単に拒否できない仕組みになっているのです。
簡単に拒否できない
一般企業に限らず、介護施設や事業所も人事異動の可能性を見据えて職員を雇用しているため、契約書にも「人事異動があった場合、職員はそれを受け入れなければならない」といった文言が記載されています。特にたくさんの施設や事業所を経営している大きな法人グループはグループ内での人事異動が多いため上記の文言は必ず記載されています。
雇用契約を結び、契約書にサインした以上は「発表が突然すぎる」「嫌だから」「異動先の職員と合わない」などの個人的な気持ちだけで拒否することはできません。突然の発表に戸惑う人も多いと思いますが、むしろ、発表前に情報が分かるような場合は運営側に何かしらの問題があると考えられます。
とはいえ、「人事異動を拒否したら解雇された」と言うのは非常に稀なケースです。どうしても異動したくない、明確な理由があるなら交渉してみるのもいいかもしれません。ただし、運営側の心証を悪くしてしまうことは覚悟しておかなければならないでしょう。人事異動は基本的に拒否できない、場合によっては懲戒の対象になる、ということを覚えておきましょう。
拒否できるケース
契約書に明記してある場合は人事異動の辞令は基本的に拒否できない、と先述しました。しかし、「ポジションが決められている」「勤務地が限定されている」など、募集要項に記されていた場合は人事異動が逆に契約違反となるため、拒否することが可能です。
また、「異動になると親の介護ができない」「子どもが障害を抱えているため、病院や施設の関係もあり今の環境を変えることができない」など、従業員の生活が大きく変わってしまい異動が重荷になる場合は拒否できます。ただし、その場合は「やむを得ない理由があるためで決して自分のわがままではない」ことを強く伝える必要があります。
どこの職場にも人間関係のトラブルはあります。トラブルが発展し、上司からの嫌がらせとして突然人事異動を伝えられるケースもありますが、これは職権を乱用した明らかに不当な行為で許されることではありません。パワハラ行為にもあたるため、人事権を持つ人に相談してみましょう。
人事異動について悩んでいる人へ
人事異動は精神的にも身体的にも負担が大きいため、どうしても受け入れられない人もいるかもしれません。その場合は思い切って職場を変えることを検討してみましょう。転職のプロである転職エージェントを利用すれば、人事異動のない職場を効率良く見つけられます。